うちもやられました😓 WOOROM.業務代金未回収事件
- 行政書士 平野雅啓

- 10月19日
- 読了時間: 8分
行政書士事務所 オフィスMです。
ネットニュースなどでも取り上げられたのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、株式会社WOOROM.が運営する中古車販売のカーネルや、カーオークション代行のカーオークション.jpで、「自動車の代金を支払ったのに納車されない」、「車を引き渡したのに代金が入金されない」、といった被害が報道されています。
2025年10月19日現在、株式会社WOOROM.で検索すると以下のような記事が出てきます。
FRIDAYデジタル(2025.8.10)
ヤフーニュース(2025.6.20配信)
※こちらの記事では「関係業者への支払い(オークション出品料、陸送会社、行政書士、保険会社への支払い、中古車情報誌への広告掲載料)もほとんど行われていないと報道されています。
ヤフーニュース(2025.8.7配信)
dmenuニュース(くるまのニュース2025.7.7)
スマトリ(2025.09.12)
※こちらの記事では最後に「教訓:中古車購入の注意点」と題した項目があり、中古車購入時の注意点がまとめられています。
※上記で引用させていただいた各リンク先は、2025年10月19日現在で公開が確認できているものです。削除・変更によりリンク切れとなっている際はご容赦ください。
実はうちもやられました(^^;
うちの場合は、カーネルから車を買ったりカーオークション.jpのオークション代行を利用したわけではありませんので、報道されている内容と直接の関係はありませんが、WOOROM.から依頼を受けた自動車登録業務の代金と立替金が回収できていません。
今回は当事務所の「株式会社WOOROM.業務代金未回収事件」についてです。

なお、本記事の内容は当事務所が実際に経験した事実に基づくものであり、特定の個人・団体を誹謗中傷する意図は一切ありません。
経緯
2025年2月に、株式会社WOOROM.という会社から電話があり、旭川運輸支局での自動車登録に関する問い合わせがありました。
問い合わせの内容は
C町(深川警察署管内)の車庫証明申請
旭川運輸支局での自動車登録(移転登録)
出張封印(C町)
これらに対応可能かどうか、ということでしたので、対応可能だけど車庫証明と出張封印は別途料金が加算される地域であることなどを説明したところ「検討してみます」という返答で、その日は終わりました。
料金を伝えて「検討してみます」で終わる業者さんは、大体が二度と連絡が来ることがありませんので、もう来ないものと思っていました。
ところが後日再度電話があり、書類を送るから対応して欲しいと依頼がありましたので引き受けることにしたのですが、内容を確認すると「3月3日までに登録してください」という、これから書類を送ってもらってから車庫証明の取得も含めるとあまり日数に余裕がない依頼でした。
なのにも関わらず、車庫証明の保管場所使用承諾書がまだもらえていないようで「承諾書は、お客様から直接事務所に郵送してもらいます」とか、別の日には「旧所有者の書類の入手にもう少し時間がかかるのでお待ちください」と連絡があったり、極めつけは「業者がナンバーを外すのを忘れて船に載せたので、ナンバープレートは車が北海道に着いてから陸送業者が3月3日午前中必着で送ります」という、「自分で3月3日までって期限切ってきているのにどうなってるの?」と言いたくなるような対応の連続。
結局ナンバープレートが到着したのは3月3日当日の午前中。ナンバープレートを受け取ってすぐに旭川運輸支局で移転登録を行い、納車日の3月4日にお客様のご自宅へ出張封印に行って、無事にすべての業務を完了しました。
入金がない…
出張封印が完了した翌日に請求書を発送しましたが、3月中には入金がありませんでした。
業者さんによっては「月末締めの翌月末払い」というところもあったりするので、このときはあまり気にしていませんでしたが、4月も入金されなかったので、5月に確認と入金依頼のメールを送りましたが、まったく返信がありません。メールを送ってから何日も返信がないので今度は電話をかけてみましたが、何度電話をかけても誰も出ません。

5月にも入金がなかったので6月にも再度メールを送りましたが、やはり返信がなく、電話をかけてもやはり誰も出ません。そのうち、何度かけても話中になり、最終的には「おかけになった電話番号は現在使われておりません」というアナウンスが流れる状態になりました。

不審に思ってネットで「株式会社WOOROM.」を検索してみると、冒頭のリンクのような記事が出てきて、「納車されない」などの被害が報じられていました。
電話では完全に連絡が取れない状態になってしまいましたので、再度メールを送ってみると、今度はこんな内容の自動返信メールが来ました。
お客様各位
現在弊社スタッフ退職等の都合にて、通常通りのサービスのご提供が行えない状況となっております。お問い合わせを頂いておりますが、現在対応が出来ません。誠に申し訳ございませんが、ご理解ご了承の程よろしくお願いいたします。また、ご返金・ご入金に関するお問い合わせにつきましては下記内容にてご対応の程よろしくお願いいたします。
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本件に関するご連絡やご質問等につきましては、今後以下の弁護士が窓口となり対応いたします。ご不明点などございましたら、下記メールアドレスまたは書面にてお問い合わせください。改めまして、このたびは多大なるご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
東京都世田谷区------------------------------
メールアドレスwoorom@-------------------
株式会社WOOROM代理人弁護士 ○○○○
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※このメールは自動返信メールです。
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「不明点はメールまたは書面で問い合わせ」と書いてあるので、記載されている弁護士のメールアドレスに、対応について説明を求めるメールを送ってみましたが、まったく返信はありませんでした。メールに記載されている住所と名前で調べてみると、一応実在する弁護士のようですが・・・返信がないのは、一体どうなっているんでしょうかね(^^;
当事務所の未回収金
車庫証明・自動車登録・出張封印・・・約2万円
立替金(収入証紙、登録印紙、ナンバープレート代)・・・約6千円
合計で約26,000円
送られてきた書類送付案内、WOOROM.の担当者とのメールでのやり取り、請求書などはすべて残っていますので、代理人の弁護士宛てに内容証明郵便を送ることも考えましたが・・・実際に「法的措置を取る」となると、今回のうちの未回収金額では手間と費用を考えると割に合わない気がします。
それに「代金を支払ったのに納車されていない」、「車を引き渡したのに入金されない」というような、うちとは比べ物にならない金額の被害を受けている方がいると報道されているのに、こんな少額で騒ぐのは、なんだか申し訳ありません。なのでWOOROM.の売掛金と立替金の回収は断念することにしました。
ただ、ネットニュースで報じられている以外にも、少額ですがうちのように業務代金を回収できていない取引先事業者がいるのも事実であり、同じ経験をしている同業者さんや事業者さんが他にもいるかも知れませんので共有の意味でこの記事を書いています。
ところで、今回のWOOROM.の件に関するネット記事の中で「教訓:中古車購入の注意点」として、最後に中古車購入について触れている記事もありましたが、うちのように業者から依頼を受けて業務を行う取引先はどのようなことに注意すれば良いのでしょうか(^^;
AI(ChatGPT)に聞いてみると、次のようなアドバイスがありました。
ChatGPTの回答より:
受任時に見積書・請求条件を明確にしておく
初回取引の場合は前金や着手金を設定する
相手先の会社情報・評判を事前に確認する
確かにおっしゃるとおりだとは思いますが…
まず、1つ目のように見積書とかに請求条件を明記してあったとしても、今回のようなケースでは回収は難しいと思われます。
2つ目の「初回取引は前金でお願いします」なんて、実際にやっているところはあるのでしょうか?
行政書士事務所の自動車登録業務の多くは、移転登録だと登録印紙とナンバープレート代、新規登録では更に重量税印紙代、環境性能割、種別割も一旦事務所で立替えて、業務代金と一緒に請求書で請求する、ということが多いと思いますし、実際に依頼先さんも法定費用はこちらが立替えて手続きを進めてくれると思って問い合わせてくる場合がほとんどです。ネットショップだと「入金確認後に発送」は当たり前ですが、自動車の整備工場とか、行政書士事務所の自動車登録業務などで、「入金後じゃないと仕事をしない」というところはあまり無いと思います。
中には重量税印紙や登録印紙を貼り付けた納付書を送ってくれる、大変ありがたい業者さんもいらっしゃいますが、この場合でもナンバープレート代とか自動車税が必要な場合は立替えています。
3つ目の「相手先の会社情報・評判を事前に確認する」くらいなら出来そうですが、電話で仕事の依頼があって、その場で依頼を受けているのが現実なので、「事前に確認する」というのも難しいような気がします。
実際、今回のWOOROM.の件についても、依頼を受けたのは2月ですが、冒頭で紹介したWOOROM.に関するネットニュースの日付はもっと後です。仮に2月に依頼を受けた時点でネットで検索してみても、わからなかった可能性が高そうです。
なんにしても、今回の件は「授業料」と受け止めて、「経験値が増えた」ととらえることにします(^^ゞ
同業者のみなさまにも今回のうちの経験が参考になればと思います。
※本記事は当事務所が実際に経験した事実を基にしています。記載内容に誤りや不正確な点がありましたら、ご指摘いただければ速やかに訂正または削除いたします。











