行政書士事務所オフィスMです。
2月22日(水)に不当要求防止責任者講習へ行ってきました。
もう10年以上前のことですが、警備在職時に不当要求防止責任者に選任されたので一度受講したことがあります。そのときは営業所の不当要求対応マニュアルを作成したこともあるのですが、あれから10年以上が経ってしまいすっかり忘れてしまったので、改めて講習を受けようと思い立ち警察署に不当要求責任者選任届出書を提出したのが2021年6月。選任届出書を提出してしばらくの間は「年内に講習を受けられるだろうか?」と思いながら待っていましたが、そのうちだんだん忘れていって、届出書を出したことすら忘れていた1年半以上後になって通知書が届いたときは「今頃かい!」って思っちゃいました。前回警備在職中に受けたときも選任届出書を出してから半年くらい後の忘れかけた頃に通知書が来たので、ある程度時間がかかるのは知っていましたし、今回はコロナの影響なんかがあってなかなか講習を実施できなかったのかも知れませんが、半年くらいだったらまだしも、1年半以上も経つとさすがに忘れてしまいます(^^;
警備在職時に受けたときも結構な人数が受講に来ていた記憶がありますが、今回の講習は90名以上の方が受講されたようです。講習の内容は「弁護士先生の講義」「旭川中央警察署の警察官による暴力団の情勢についての講義」「不当要求対応のDVD視聴」「不当要求に対する対応要領の講義」で、途中10分の休憩をはさみ、時間は約2時間半でした。
最初の講義で弁護士先生が「不当要求をする者は、以前は暴力団関係者が主だったのが、現在は一般人が不当要求をするようになっている」と指摘して、悪質クレーマー、カスタマーハラスメント、モンスターペアレントといった例を挙げ、一般人からの不当要求に対しても「毅然とした態度で対応する」「複数人で対応する」等の対応要領を知っておくこと、警察や暴追センター、弁護士等、困ったときの相談先を確認しておくことが大切とのこと。
また、外部に相談する際には「不当要求している者を特定すること」「証拠を残すこと」が重要とのことでしたが、録音は相手へ告知することなくやっても問題ないとのことなので、うちの事務所はまず録音して証拠を残せるように録音機器を用意してやろうと思います。
それともう一点、前回警備在職時に受けた講習では内容になかった「契約書等への暴力団排除条項」の導入と「表明・確約書」の作成は参考になりました。早速うちの事務所でも導入しようと思いますし、今後契約書や約款等の作成のご依頼を受けた場合には、これらの条項を盛り込んだ内容も提案できるので本当に参考になりました。
不当要求防止責任者講習は主に暴力団等の反社会的勢力からの不当要求に重点を置いているようですが、一般人から不当要求を受けた場合の対応も「言いがかりか、クレームか、不当要求なのか、相手が何を言っているのかを見極め」た上で「毅然とした対応」「即答はしない」「曖昧な言葉は使わない」、退去するよう伝えても居座って帰らないときは警察へ連絡する等、基本的な対応要領は暴力団等への対応と変わりません。「それが客に対する態度か!」と怒鳴られようと「お客様は神様ではない」ということだそうです。
本当はこんなおかしなことを言ってくる方にお会いしないのが一番なんですが、いつどこで不当要求してくる方に遭遇するかわかりませんので、講習でいただいた教本と資料を基にできるところから準備を進めていきたいと思います。
さて、講習を受けると教本類の他に受講修了書、ポスターをもらえました。この受講修了書とポスターは、事務所や応接室の見えやすいところに掲示しておくと不当要求してくる人に対してけん制の効果もあるとのことなので、うちも早速相談室に掲示しています。
北海道内での不当要求防止責任者の責任者選任届出書の提出、講習の受講方法の詳細は下記のリンクからどうぞ。
この記事を見て「うちの事業所も責任者を選任しよう」と思っていただければ幸いですが、責任者選任届出書を提出してから講習の通知が来るまで結構時間がかかることもあるようですから「気長に待ってみよう」という感じで届出書を出してみてください。
今回改めて受講してみて、やはり定期的に講習を受けて事前の準備と対応要領について考えてみるのは大切だと思いました。