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執筆者の写真行政書士 平野雅啓

内容証明について

更新日:10月29日

普段あまり使うことはありませんが、知っていると何かあったときに役に立つかも知れない内容証明についてです。

何だか難しそうだけど、やってみると意外とそうでもないですし、ネットで調べると内容証明の作成例がいくつも出てきますので、こちらを参考にされるのも良いと思います。


内容証明は、「いつ」「どんな内容の文書が」「誰から」「誰に差し出されたか」ということを日本郵便が証明してくれるものです。

ただし、日本郵便が証明してくれるのはその文書が存在するということだけで、文書の内容が真実であるのかどうかということを証明するものではありません。


内容証明は作り方・出し方に決まりがあります。


・文字数・行数の制限

【縦書きの場合】

1行に20文字以内、文書一枚に26行以内

【横書きの場合】

1行20文字以内、一枚に26行以内

1行13文字以内、一枚に40行以内

1行26文字以内、一枚に20行以内

・差し出すときは、内容証明以外の文書を同封することはできません。

・必ず一般書留で送る必要があります。

・差し出せる郵便局は、集配郵便局か日本郵便の支社が指定した郵便局だけで、すべての郵便局で差し出せるわけではありません。


料金や利用条件等の詳しいことは日本郵便のホームページをご確認ください。


作り方と差し出し方

内容証明は用紙や記載用具は自由なので、どのようなものを使っても構いません。内容証明用紙が市販されているのでこれを買ってきて作ってもいいですが、手書きだと間違えた場合が面倒なので(訂正の方法も決まっています)、パソコンで作るのが良いかと思います。

上の画像は行政書士会の内容証明用紙です。


実際の内容証明が下の画像です。中身は伏せさせていただきます。

こちらはA4サイズの用紙に縦書きで作成しています。

ワープロの設定で1行の文字数を20文字、行数を26行にしてあります。余白には郵便局でハンコを押すので、余白は多めに取った方が良いと思います。それと「、」や「。」も1文字になるので、行の最後で「、」や「。」が自動的に最後の文字と同じところに入る設定を解除しておきましょう。


文面が出来上がったら3部印刷します(手書きの場合はコピーを2部とればOK)。1部は送付する原本、1部は郵便局が保管する謄本、もう一部は上の画像のように郵便局でハンコを押して差出人の保管用に渡してくれますので、大切に保管しましょう。紙が2枚以上になったら綴り目に契印を押します。


用意ができたら、宛名を書いた封筒と印鑑(訂正があったりした場合のためにもあった方がいいです)、お金を持って郵便局へ行きましょう。

窓口で内容証明郵便を出したいと言えば対応してくれます。文書が決まり通りに作られているか、3部すべてが同文かを郵便局でチェックするのに5分ほどかかります。問題がなければ上の画像のように証明印を押して持ってきてくれますので、そのうちの1通を封筒に入れて差し出します。差し出す際にはちょっとお金がかかりますが、配達証明も依頼するのが望ましいです。


さて、内容証明ですが、どのような時に利用するのでしょうか。


1.証拠が欲しいとき

例えば契約の解除とか契約取消したい時、クーリングオフする時、遺留分減殺請求する時、時効の中断など、法的効果を発生させたい意思表示や通知で証拠を残すために利用されます。


2.確定日付を得るとき

債権譲渡の通知は確定日付ある証書でしなければ第三者に対抗できないとされているので、内容証明が利用されます。また遺留分の減殺請求権は「遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する」とされていますので、いつ請求したのかを証明するためにも有効です。


3.相手に心理的プレッシャーを与えて行動を起こさせたいとき

内容証明郵便は内容を郵便局が証明してくれるものなので、受け取った相手に心理的プレッシャーを与える効果が期待できます。

例えば、普通の手紙で「以前貸した〇円を〇月〇日までに返してください」と書いて送っても知らんふりされるかも知れませんが、日本郵便の証明印やら何やらが押された内容証明郵便を見た相手は、差出人の本気度を感じて何かしら行動を起こさなければならないというプレッシャーを感じるはずです。ただし、内容証明には法的な強制力はありませんので内容証明を出せばすべてうまく解決する、というわけではありません。


以上のような効果がある内容証明ですが、送る相手や場合を考えることが必要な場合もあると思います。例えば「これからも付き合っていかなければならない人」だけど、貸したお金をなかなか返してくれないときなどに、いきなり内容証明で「お金返して」とか「○○を弁償して」みたいなものを送ったりすると、受け取った相手は良い感情を持つはずがありませんし、当然これからの付き合いにも影響が出てくることは避けられないのではないでしょうか。できれば仲良くしたいと思っている人や、長い付き合いの人、これからも付き合っていかなければならない人などの場合は、まずは話あったり普通の手紙を送ることから始めて、内容証明は最後にした方が良さそうです。


当事務所では内容証明の作成についてのご相談なども承っています。簡単なものであればその場で文面をご提案しますので、その場で作成してお持ち帰りいただけます。

ぜひお役立てください。

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