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執筆者の写真行政書士 平野雅啓

相続について(相続放棄)

更新日:10月29日

自分も経験しましたが、相続はある日突然やってきます。相続についてと言っても、今回は相続の放棄についてです。


相続を放棄する場合、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に被相続人(故人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に相続放棄申述書を提出してしなければなりません。

ネット上には弁護士の諸先生が解説しているページがたくさんありますし、相続放棄申述書は裁判所へ提出するものなので行政書士の業務外です。なので細かい話は抜きにして、ここでは私自身が実際に行った相続放棄の手続の流れをお伝えします。もし相続放棄をお考えの方がいらっしゃいましたら手続の参考にしてください。


相続を放棄する場合は、先にも書きましたが「相続放棄申述書」を家庭裁判所に提出しなければなりません。私の場合は札幌家庭裁判所へ提出しなければならなかったのですが、すべての手続が郵送でできるので、わざわざ遠くの家庭裁判所へ行く必要はありません。

「相続放棄申述書」は家庭裁判所のホームーページからダウンロードできますので、これを印刷して必要事項を記入します。



申述書の記載内容自体はそれほど難しいものではありませんが、書き方で疑問に思ったところなどは、家庭裁判所に電話をして「相続放棄の申述書の書き方でお尋ねしたいのですが」と聞くと親切に教えてくれました。相続財産の概略など詳しくわからない部分はわかる範囲で書けば大丈夫なようですし、まったくわからなければ「不明」にしておけばOKです。私の場合は「放棄の理由」欄が「その他」に該当したのですが、ここをどのように記載したらよいかを教えてもらいました。


次に申述書に添付する書類を収集します。必要になるのは「申述人(自分)の戸籍謄本」「被相続人(故人)の戸籍(除籍)謄本」「被相続人の住民票除票」か「被相続人の戸籍附票」ですが、例えば代襲相続だったりすると更に書類が必要になるようです。これに本人確認書類として「免許証」とか「個人番号カード」のコピーを用意します。


書類が全て揃ったら「相続放棄申述書」に800円分の収入印紙を貼り、家庭裁判所からの返信用の82円切手を3枚入れて郵送します。


1週間くらい経ったら家庭裁判所から「照会書」というものが届きますので、必要事項を記入して家庭裁判所へ返送します。下の画像が「照会書」です。

「照会書」は家庭裁判所が相続放棄を認めるかどうかを判断するために必要な質問ということで何点か質問されるようなのですが、私の場合は質問内容が簡単で、被相続人の死亡をいつ知ったかと、相続の放棄が自分の意思であるかどうかの二点だけの確認でした。照会書の質問事項は人によって違うと思いますが、相続放棄の理由とそれが自分の意思であることが裁判所にわかってもらえるように書けばよいのではないかと思います。

後は自分の住所・電話番号を記入して、署名・押印するだけです。押印は「申述書」で使用した印鑑を使いましょう。

「照会書」を返送して1週間くらいで「相続放棄申述受理通知書」が届きました。

これで相続放棄が受理されました。相続放棄の手続自体はこれで完了ですが、もう一つ「相続放棄申述受理証明書」という書類を貰いましょう。

この「相続放棄受理証明書」の申請書は、受理通知書と一緒に送られてきますので必要事項を記入して、必要な証明書の枚数分の収入印紙(一人一件あたり150円)と返信用の切手、相続放棄申述受理通知書のコピーを入れて家庭裁判所へ送ると、一週間程度で「相続放棄申述受理証明書」が送られてきます。


この「相続放棄申述受理証明書」を債権者に提出したり他の相続人に渡して自分が相続放棄したことを証明することになります。

裁判所の手続と聞くと何だかすごく難しそうに感じてしまいますが、すべて郵送でできて、やってみると意外に簡単。わからないことは聞けば親切に教えてくれます。


相続放棄をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

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