公安委員会への変更の届け出、忘れていませんか?
今回はある警備業者様から警備業認定の有効期間更新申請のご依頼をお受けした際のことです。
営業所へお伺いして「前回から何か変わっていることはありませんか?」と確認しましたが「特に変わったことはない」ということだったので、早速委任状をもらって必要書類の取得と申請書類の作成を始めたのですが、登記事項証明書を取得して確認してみると、何ヶ月も前に役員が変わったことになっています。
「変わったことはない」と聞いてはいましたが、気になったので念のために役員が変わったことを公安委員会に届出したかを確認したところ、なんと変更届を出していなかったとのこと。
もしこのまま届出をしていない状態で認定の有効期間更新申請をしていたら、審査の途中で見つかって「前回と役員が違う」「どうして変更の届出をしていないのですか?」と指摘されて、余計な時間がかかることになっていたのではないかと思います。
第十一条第一項の変更届
警備業法第十一条第一項では以下の場合には公安委員会に変更の届け出をしなければならないと定めています。
1.氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者
2.主たる営業所その他の営業所の名称、所在地及び当該営業所において取り扱う警備業務の区分
3.営業所ごと及び当該営業所において取り扱う警備業の区分ごとに、選任する警備員指導教育責任者の氏名及び住所
4.法人にあっては、その役員の氏名及び住所
以上のどれかに変更があったときは、変更の日から10日以内(登記が必要な場合は20日以内)に届出をしなければならないことになっています。
届出をしないままいつまでも放置しておくと、最悪の場合は警備業法第58条に規定されている30万円以下の罰金というペナルティーを科されてしまう可能性があります。警備業法の規定に違反して罰金刑になってしまうと警備業の欠格要件に該当してしまうことになりますので、5年間は警備業界から追放されてしまいます。
役員の変更は登記が必要なので、本来であれば変更の日から20日以内に届出をしなければならなかったところですが、何カ月も忘れているうちに認定の有効期間更新の時期になってしまったようです。認定の有効期間更新の申請は30日前までにしなければなりませんが、30日前まで残り日数があまりありませんでしたので、今回は有効期間更新申請書と役員の変更届を同時に提出することにしました。
役員の変更届に必要な書類
1.法第11条第1項変更届出書 (別記様式第6号)
2.登記事項証明書
3.誓約書(法人変更用)
4.新役員の履歴書
5.新役員の身分証明書
6.新役員の住民票(本籍記載のもの)
7.新役員の診断書(個人・役員・検定用)
認定の有効期間更新申請の必要書類と重複する書類がありますが、有効期間更新申請用と変更届用にそれぞれ1通ずつ提出が必要です。
加えて今回は、届出が遅れたことについて「二十日以内に届出をすべきところ、失念しており本日まで遅延してしまいましたことは大変申し訳ありません」などといった内容の公安委員会宛ての遅延理由書を作成して添付しました。
結果
役員の変更届と有効期間更新申請書を同時に提出しましたが、「あー、届出忘れてたのね」くらいな感じで、特に何事もなく変更届と有効期間更新申請の受領書が交付され、申請から1カ月ちょっとの後に有効期間が更新された「認定通知書」が無事交付されました。
今回は役員が変わった場合でしたが、役員や指導教育責任者の住所が変わった場合にも届出をしなければならないことになっています。
引っ越しで住所が変わったくらいだと、届出するのをうっかり忘れてしまうこともあるかもしれませんので注意が必要ですね。
行政書士事務所オフィスМでは、警備業の申請・届出に関するご依頼を承っております。
新規で警備業を始めようと検討されている個人・事業者様は勿論、既存の警備業者様からのご依頼もお待ちしております。
お問い合わせはメール、ホームページのお問い合わせフォーム、行政書士事務所オフィスМのLINE公式アカウントからお気軽にどうぞ。
お問い合わせお待ちしています(^^)